仙台高等裁判所 昭和25年(う)829号 判決
所論は要するに本件換価金は刑法第十九条第一項第四号にいわゆる物の対価であるから、同法第一項第一号の犯罪の組成物件ではないに拘らず、原判決が同号に依つて沒収の言渡をしたのは違法であるというのであるが、同条第一項第四号にいわゆる対価物とは、犯人が同条第一項第三号に記載したものを処分して得た対価物を指称するのであるから、本件の如く押収物を捜査機関が売却処分した場合の代価を含まないものと解すべきところ、原判決が沒収したのは司法警察員が差押えた米の換価金であつて、当時司法警察員は米を差押えたけれどもこれが保管困難、腐敗の虞ありとして換価したものなることは記録上明らかであるから、右は刑事訴訟法第百二十二条に依る押収物の換価金であることも亦明暸である。して見れば右は被換価物件と同一視すべきものであるから原審がこれを同法第十九条第一項第一号に依つて沒収したのはまことに相当であつて、豪も違法ではない、論旨は理由がない。